電子相関が生み出す新規な秩序と超伝導現象:
トポロジー、液晶状態、動的現象
2018年5月7日~5月9日  京都大学基礎物理学研究所

電子相関が生み出す新規な秩序と超伝導現象:
トポロジー、液晶状態、動的現象
2018年5月7日~5月9日  京都大学基礎物理学研究所

電子相関が生み出す新規な秩序と超伝導現象:
トポロジー、液晶状態、動的現象
2018年5月7日~5月9日  京都大学基礎物理学研究所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基研研究会
「電子相関が生み出す新規な秩序と超伝導現象:トポロジー、液晶状態、動的現象」

研究会の趣旨

近年の計算機環境の充実に伴い、超伝導の理論研究は、多数の電子軌道が関与するより複雑な構造をもつ超伝導体の研究へ重点をシフトしつつある。とりわけ、2008 年に鉄系高温超伝導体が発見されて以来、軌道自由度の多様性が超伝導発現機構に重要な影響を与えうることが明らかになった。電子相関の下、スピンの自由度と軌道の自由度がどのように競合あるいは協力しあうかを解明することは、重い電子系超伝導体やフラーレン、ルテニウム酸化物等など様々な超伝導体の研究における重要な課題である。また銅系高温超伝導体において、非平衡状態での高温超伝導やヒッグスモードなどの新しい現象も報告されており、それらに対して理論が研究を牽引する役割を担ってきている。

さらに最近、波動関数のトポロジーで特徴づけられる物質群「トポロジカル絶縁体・超伝導体」の発見より、超伝導現象に新たな側面が加わることになった。これらの物質群では、マヨラナ型励起に代表されるエキゾチック準粒子など、従来の超伝導理論の枠組みでは捉えられなかった新しい超伝導の性質が明らかになってきている。トポロジカル超伝導体の候補物質の多くも、スピンおよび軌道の自由度に特徴的な構造をもつ多自由度超伝導体である。これらの物質群における、トポロジー、スピンおよび軌道自由度、電子相関の関係を明らかにすることは重要である。

強相関電子系における強い量子揺らぎは、電子系の非自明な対称性の自発的破れである「電子液晶秩序」をもたらし、鉄系および銅酸化物超伝導体において普遍的に観測されるようになった。電子液晶の秩序変数は、軌道秩序からボンド秩序、スピンネマティック秩序に至るまで多岐に渡り、これらの量子揺らぎが高温超伝導など非従来型超伝導をもたらすという期待から、近年世界中で盛んに研究されている。

このような状況を踏まえ、それぞれの分野で世界最先端の研究成果を挙げている第一線の研究者を集め、最新の成果について討論するとともに、実験研究者の講演も織り交ぜて今後の超伝導研究の方向性について議論するための研究会を提案する。招待講演者による口頭発表に加え、一般申し込みによる口頭発表とポスター発表を行う。

日程・開催場所

招待講演者

世話人

紺谷浩(名大、代表)、池田浩章(立命館大理工)、柳瀬陽一(京大理)、大野義章(新潟大理)、
有田亮太郎(理研)、黒木和彦(阪大理)、佐藤昌利(京大基研)、遠山貴己(東京理科大理)、松田祐司(京大理)