(最終更新: 2011/07/15)

講義: 統計物理学W (前期,4年生)


単位は出席とレポートをもとに出します. 遅刻者の出席は1/2にしか数えないつもりなので始めから出てください.

講義ノート

講義のpdfファイルです(2010年度版,講義をしながら直す予定).

  1. 第1章,第2章 (pp.1-24) (2010/05/14)
  2. 第3章(pp.25-40) (2010/05/14)
  3. 第4章(pp.41-50) (2010/07/08)
  4. 第5章(pp.51-64) (2010/07/23)
  5. 全体(pp.1-67) (2010/07/23)


授業についての質問,意見などは


講義日誌(時間反転)

Onsager と 久保(AIPより)
Kubo Onsager
2011年07月15日
 第11回.物理量の平衡への緩和,時間相関関数と応答関数の関係,応答関数とエネルギー吸収.
 非平衡の話は時間が足りないので線形応答だけを2回に分けて話す予定. 来週は試験期間ですが4年生はあまり関係ないでしょうから授業をやります. 線形応答の一般理論は久保理論として知られるが,その中核をなす電気伝導の公式(中野-久保公式)を発見したのは中野藤生先生です. 中野先生は旧教養部時代の益川さんの恩師であり,1961年から1965年までS研の教授を務め,その後工学部に移られ,2009年の夏に亡くなられました.
 出席19人.レポート提出19人.



Bordeaux wine Bourgogne wine
Landau (Nobel財団の写真).
Landau
2011年07月08日
 第10回.スピン空間と実空間の次元の効果.ランダウ理論の解説.自由エネルギー汎関数の形,秩序変数,一般化感受率.
 相転移を理解するには,磁化を独立変数にとった自由エネルギーを見るのがわかりやすい. スピン空間が2次元で回転対称性がある場合には,磁化の関数としての自由エネルギーの形は,すり鉢>Bourgogne葡萄酒壜底(写真左)>Bordeaux葡萄酒壜底(写真右)と変化する. 具体的なハミルトニアンがわからない,あるいは分配関数が計算できない場合でも,自由エネルギーの形を想像することにによって相転移の現象論が組み立てられる.
   来週からは非平衡系の話をします. とくに問題がなければ講義はあと2回やる予定.
 出席16人.




Flory (Nobel財団の写真).
Flory
2011年6月24日
 第9回.フラクタル構造を持つ高分子.磁性体の相転移.
 理想鎖高分子と実在高分子のモデル.高分子の自由エネルギーから広がりを求める話. フラクタル性が散乱実験でどのように見えるか. Isingモデルの強磁性相転移についての復習と回転対称性を持つ系についての補足.
 来週は休講です. また,授業で言い忘れましたが,2回目のレポート課題をだします. 講義ノートに載っている,拡散方程式の解を求める問題と一般の次元で排除体積効果を持つの高分子のフラクタル次元を求める問題,ともにやさしい演習問題なので, 3週間後の7/15までにA4の用紙に書いてレポートとして提出してください. これを読んだ人は他の人にも伝えてあげてください.
 出席18名.



2011年6月17日
 第8回.フラクタル,鎖状高分子
 幾何学的フラクタルと物理的集合状態としてのフラクタルの例示とフラクタル次元の説明. 鎖状高分子とランダムウォーク.自由エネルギー.
 出席者16名.


7月1日は出張のため休講とします.

2011年6月10日
 第7回.固体(結晶),液晶
 結晶の周期構造と構造関数の特徴.液体と固体の両方の特徴を備えた液晶について.
 出席者17名.



後ろに立っているのがAlder.
Alder(back) 2011年5月27日
 第6回.ルジャンドル変換の一般化,液体の2体分布関数,液体のエネルギーと2体分布関数,剛体球とその相転移.
 形式的な話が一応終わって具体的なものの話に移る.
 出席者17名.



2011年5月20日
 第5回.汎関数微分,相関関数の統計力学的表式
 外場のもとでの分配関数の汎関数微分を使って密度分布 < n(r)> や密度相関関数 < n(r)n(r')> が書き表せること.
 出席者は22人.  レポートは上の解答例をよく見ておいてください.




2011年5月13日
 第4回.構造関数と各種相関関数
 構造関数,構造因子,密度相関関数,密度ゆらぎの相関関数,2体分布関数などの関係を解説.
 出席者は25人.




Bloch と Gibbs
Gibbs
Bloch
2011年05月06日
 第3回.統計力学の基礎付け 定理.
 カノニカル分布の基礎付けの話の続き. 体系は一つの「状態」にあるはずなのになぜカノニカル分布が使えるか. 不可逆仕事の定理についてなど.
レポート課題を出した.締め切りは5/20の講義時まで.A4版の用紙を使うこと.
 出席者は22名. 連休の間なのでやや少ない. 教育実習で欠席する人はメールで知らせておいてください.


2011年4月22日
 第2回.ミクロカノニカル分布とカノニカル分布の統計演算子とその性質,エントロピーの定義.統計力学の対象について,密度行列によるカノニカル分布の統計演算子の導出
 今年は去年より順調に進んでいる.逆に早く進みすぎて,ついてこれなくなっていないかが少し心配.
 出席者は25名.



Landau と von Neumann(AIPより)
von Neumann
Landau
2011年4月15日
 第1回.部分系の量子力学的な記述法である密度行列の説明.
 出席者は28名. 昨年の初回出席者は31名だったので少し減った. 最後まで受講する人がどのくらいか楽しみ. 予定より少し進んだ.もう少しゆっくりやったほうよいかもしれない.
 密度行列を導入した Landau と von Neumann の写真を載せます(いつも同じだけれど).



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