(最終更新: 2015/07/17)

講義: 統計物理学W (前期,4年生)


単位は出席とレポートをもとに出します. 遅刻者の出席は1/2にしか数えないつもりなので始めから出てください.

講義ノート

講義のpdfファイルです(昨年度のものとほぼ同じ).
講義ノート

講義ノート第1章改訂版(2015/4/17)

レポート問題のpdfファイルです.

  1. 第1回 (2015/04/24)

    授業についての質問,意見などは


    講義日誌(時間反転)

    Perrin (Nobel財団の写真).     
    Perrin
    2015年07月18日
     第14回.EinsteinのBrown運動の理論,Langevin方程式.
     最後,計算を少しはしょったが大体重要なところは済んだので今日で最後とします. 成績は出席状況と2回のレポートでつけます. 明日は自己推薦入試,遅刻しないように.
     出席11人.







    2015年07月10日
     第13回.揺動散逸定理,Kramers-Kroenigの関係,現象論的モデルでの一般化感受率.
     今年は本当に梅雨らしい日が続く. 蒸し暑いが,あと1,2回だ.
     出席12人.





    Onsager(AIPより),久保(AIPより),中野
    Nakano Kubo Onsager
    2015年07月03日
     第12回.線形応答理論,時間相関関数と応答関数の関係,応答関数とエネルギー吸収,
     線形応答の一般理論は久保理論として知られるが,その中核をなす電気伝導の公式(中野-久保公式)を発見したのは中野藤生先生です. 中野先生は旧教養部時代の益川さんの恩師であり,1961年から1965年までS研の教授を務め,その後工学部に移られ,2009年の夏に亡くなられました. 梅雨でうっとおしい日が続いている.
     出席12人.




    Landau (Nobel財団の写真).
    Landau
    2015年06月26日
     第11回.ランダウ理論の解説.一般化感受率.
     ランダウ理論はシンプルでいい. 始めるところを間違えて時間が不足し,フーリエ変換の計算を省略した. ノートを見ておいてください. 
     出席13名.



    2015年06月19日
     第10回.磁性体相転移の平均場理論の復習,秩序変数.
     自由エネルギー汎関数.統計IIIで学んだIsing磁性体の平均場理論の復習.Bragg-Williams近似の自由エネルギーと相転移.
     出席14人.




    Flory (Nobel財団の写真).
    Flory
    2015年6月12日
     第9回.スケールフリーのフラクタル,高分子の自由エネルギー,高分子のフラクタル性,
     理想鎖高分子と実在高分子のモデル.高分子の自由エネルギーから広がりを求める話. 相互作用のある高分子の理論を作ったFloryはノーベル賞を受賞している.
     2度目のレポート問題を出した.講義ノートにある拡散方程式の解と排除体積鎖のフラクタル次元の問題をやって,できれば来週までに提出してください.
     出席者13名.教育実習組が帰ってきた.




    2015年5月29日
     第8回.液晶,フラクタル
     「液晶」,「フラクタル」,耳にすることは多くてもはっきり知らない人が多い. どんなものかは知っておいてください.来週6/5は名大祭でお休み.
     出席者9名.



    後ろに立っているのがAlder.
    Alder(back)
    2015年5月22日
     第7回.剛体球とその相転移,固体(結晶).
     剛体球系の結晶化は,よく考えると当然起こるべきものだが,初めは奇異に感じる. アルダー転移の発見は計算物理学の最初の大きな成果. 液体より結晶のほうがエントロピーが大きいということも,斥力の効果で結晶ができるということも,いい加減な「常識」を打ち砕いてくれる. 結晶の周期構造と逆格子についてざっと説明.
     出席者10名. 教育実習のために欠席する人は連絡してください.




    2015年5月15日
     第6回.グランドカノニカル分布,ルジャンドル変換の一般化,液体のエネルギーと2体分布関数,分子間ポテンシャル.
     形式的な話が一応終わって,具体的な物質の話にはいり,気体液体の話から.
     出席者12名.




    2015年5月8日
     第5回.汎関数微分,相関関数の統計力学的表式.
     外場のもとでの分配関数の汎関数微分を使って密度分布 < n(r)> や相関関数 < n(r)n(r')> が書き表せること. 後者はr'に外場をかけたときのrでの密度の変化を決めている.
     出席者は15人.




    2015年05月01日
     第4回.構造関数と各種相関関数
     構造関数,構造因子,密度相関関数,密度ゆらぎの相関関数,2体分布関数などの関係を解説.少しだけ残ってしまったのでそこは来週.
     出席者は18人.


    Bloch と Gibbs
    Gibbs
    Bloch
    2015年04月24日
     第3回.統計力学の基礎づけについて.
     カノニカル分布の基礎づけの話の続き. 体系は一つの「状態」にあるはずなのになぜカノニカル分布が使えるか. いろいろなエネルギーの固有状態をランダムに重ね合わせた一つの純粋状態は,ほとんどミクロカノニカル分布と区別がつかず(このことを最初に考えたのはBlochらしい),その部分系はカノニカル分布で近似できる(カノニカル集団を考えたのはGibbs),というのがあらすじ. つまり「典型的な」状態の部分系はカノニカル分布で近似できるということ. 他に断熱変化と一般の変化のエネルギー比較,Jarzynskiの非平衡仕事の定理や揺らぎの定理の話など. どの話もどこかにカノニカル分布が入ってくる.
     レポート課題を出した(上を見よ).来週5/1,または連休明けの5/8の授業の際に提出してください.
     出席者は17名.

    2015年4月17日
     第2回.ミクロカノニカル分布とカノニカル分布の統計演算子とその性質,エントロピーの定義.カノニカル分布の導出
     今日の話は知っていることの形式的な書き換えだろう. 次回は,非平衡仕事の定理,ゆらぎの定理など最近の物理的理解の進展に触れる予定.
     登録出席者は16名+座敷わらし若干名.



    Landau と von Neumann(AIPより)
    von Neumann
    Landau
    2015年4月10日
     第1回.部分系の量子力学的な記述法である密度行列の説明.
     右の写真は密度行列を導入した Landau と von Neumann.
     1週間以上前からののどの不調がなかなか治らず,昨年冬に患った肺炎のことを思い出し,憂鬱になる.
     出席者は19名で昨年より少し多い程度..

    今年は最後の年なので今までやりたくてできなかったことを補足してやりたいと思っています.


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