(最終更新: 2006/09/07)

講義: 統計物理学特論 (前期,MC1年生)


授業についての質問,意見などは
講義ノートやレポート(物理教室内からのみアクセス可)

講義日誌(時間反転)


2006年9月07日
 9月4日に成績を出した. 10回以上講義に出席した者には単位を出し,レポートと出席日数を考慮して評価をつけた. 登録者:50名.A:27名,B:10名,C:2名,D:11名.



2006年7月26日
 今日から早川さんの集中講義. レポートが届き出したので 講義ノートやレポート(物理教室内からのみアクセス可) に順次掲載します.



2006年7月18日
 第15回.Becker-Doeringのモデルでの定常核生成率の評価,非保存系のGLモデルでの運動方程式,界面の構造,界面自由エネルギー,界面の移動度.
 駆け足ながら,今日やろうと思ったところは出来た. 来週は伊藤さんと早川さんのMC向けの集中講義があるので,それを聴講してください. その次の週は出張があり,すでに15回講義をやったので今日で最後とします.おつかれさま.
 あとはレポートの提出に遅れないように.
出席者30名(素粒子宇宙6名,物質理学26名).



2006年7月11日
 第14回.1次相転移の一般論の復習,Becker-Doeringのモデル,詳細釣り合いの原理を使った係数の評価,FP方程式との関係.
 基礎的なところの復習と説明を丁寧にやっていたら時間が不足して,核生成率の計算まで行かなかった. 来週が最後なので積み残しが多く残念. そのうち第2部の講義ノートもWEBに載せますから,それを読んで補ってください.
 講義中,冷房が入っているのに実に蒸し暑くて不快.
出席者34名(素粒子宇宙6名,物質理学28名),明らかな遅刻者10名を含む.

成績について:単位の認定は,出席データとレポートをもとに行います. 講義の実施回数は15回です. 2/3の出席が目安. 成績提出の締め切りが9月のはじめなので,レポートの提出日を厳守してください.



2006年7月4日
 第13回.Langevin方程式の一般化,保存系と非保存系の場の時間発展,分布関数とランダム力の分布,Fokker-Planck方程式,熱平衡分布
 これでゆらぎについての基礎的なことは一応話せた. 集中講義も予定されているので講義は後2回しかできない. Cahn-Hilliard方程式を使った相転移の時間発展なども話したいところだが,とても時間が足りないので,1次相転移の最初と最後のところの話をしようと思う.
出席者31名(素粒子宇宙5名,物質理学26名).

Langevin
Langevin

2006年6月27日
 第12回.Langevin方程式,位置の変化と拡散,速度相関関数と拡散係数,ランダム力の相関
 Langevin方程式の解説,黒板に計算を丁寧に書くと間違いも多く面倒だがじっと我慢. 多変数,場の方程式への一般かもやりたかったが時間が足りない.あと3回しかないので何を材料にするかを迷う.
 出席者28名(素粒子宇宙7名,物質理学21名).急に減って30人を切った.気候のせいか?

2006年6月20日
 第11回.Kosterlizのくりこみ群方程式の解,相転移の様子,ブラウン運動
 KT転移の話を終えて平衡系の相転移の話はおわり. ここまでの講義ノートをuploadしました.次はBrouwn運動とゆらぎの話で,まずはEinsteinの1905年の仕事の紹介から.
 出席者35名(素粒子宇宙7名,物質理学28名).

2006年6月13日
 第10回.2次元流体と2次元クーロン系の対応.誘電率と電荷対の分布関数の関係,Kosterlizのくりこみ群方程式
 KT転移の話を全部やってしまおうと思っていたがくりこみ方程式まで. 次回は結果の意味づけをやって,相転移の話は一応おしまいにする予定. そのあとは非平衡系の話しに入ります.
午後の4年生のセミナーも終わり,憲章記念日の講演が聞けなかったのは残念だが,もうすぐBEER.
 出席者33名(素粒子宇宙7名,物質理学26名).

2006年6月6日
第9回.回転対称性を持つ系の相関関数,KT転移,2次元xyモデルでの渦,流体系との対応.
 XYモデルの磁性体が超流動流体に自然に対応がつく. 2次元流体の速度ポテンシャルを導入したが,流れ関数を使うとクーロン気体と対応させられ(これは次回),エネルギーが簡単に計算できる. 統計力学はエネルギーだけがあればよいから,どの系も同じ振舞いが期待できる.
 出席者32名(素粒子宇宙8名,物質理学23名). 最近ずいぶん遅れてくる人が増えてきた. 面倒だけど出席簿で遅刻を別につけようか.

レポートについて
テーマ: 以下のいずれかの項目についての解説(関連テーマのoriginalな研究でもよい).


締め切り: 2006年9月1日(金)
体裁: A4判,12pt活字で,3-10ページ(表紙はつけない),詳しいReferencesをつけること.
提出法: Pdfファイルをe-mailに添付して提出, ファイル名はアルファベット小文字で`姓-名.pdf'のようにすること(例:uwaha-makio.pdf)
注意: 物理教室内にアクセス制限をつけて公開する予定

K. Wilson(Nobel財団の写真)
K. Wilson

2006年5月30日
 第8回.2次元IsingモデルのMigdal変換,臨界指数の決め方,クロスオーヴァ,連続対称性を持つ系の特徴.
 K. Wilsonは繰込み群を使った相転移の研究で1982年のノーベル物理学賞を受賞した. くりこみ群の考え方は実際の計算プログラムが遂行できないときでも,臨界現象についての物理的イメージを与えてくれる.
 この講義室は細長い.マイクの電池が途中で切れた.大声を張り上げるのは疲れる.後ろに座る人が多いが,どうせ出席して聞くつもりなら前に座ったほうが得だと思う.
 出席者31名(素粒子宇宙5名,物質理学26名).

Kadanoff
Kadanoff

2005年5月23日
 第7回.臨界現象の実験,ブロックスピン変換,くりこみ群の考え方,1次元Isingモデルでのくりこみ群.
 最初に宇宙実験などの実験データを紹介.ファイルを入れ忘れていたため手間取り時間を浪費した. どうしても準備をしてから講義までの時間が空いてしまうので不手際が多い.
 スケーリングの考え方はなかなかうまく説明できず毎年苦労する. 歴史にこだわらずにはじめからくりこみ的な見方で説明してしまったほうが分かりやすいのかもしれない.
質問: 2 Cosh K(S1+S2) = A Exp(K'S1S2) から何故AとK'が決定できるのか?
回答: S1とS2はプラス,マイナス1の値しかとらないから.
 出席者36名(素粒子宇宙8名,物質理学28名).

Ginzburg(Nobel財団の写真) Ginzburg

2005年5月16日

 第6回.臨界指数,ギンツブルグの条件,スケーリング仮説
 実験データなどを見せるつもりが時間不足でできず. 授業後の質問で,ギンツブルグの条件の意味が正確に伝わっていなかったことがわかったので,来週もういちどい説明しよう.
今日のところまでの講義ノートをpdfにして,講義ノートやレポート(物理教室内からのみアクセス可) に載せた. ノートを作るのはけっこう大変だが,黒板に書いただけだと書き写しの誤りもあるので少しは役に立つでしょう. 誤りがあれば教えてください.
 出席者31名(素粒子宇宙6名,物質理学25名).

van der Waals      van der Waals

2005年5月9日

 第5回.熱力学的ゆらぎ,ゆらぎの空間的相関の現象論的理論.
 連続体の自由エネルギーを使って相転移を議論することは1893年のファンデルワールス論文にはじまる. 1958年のカーンらの理論で復活. ランダウの現象論やギンツブルグ・ランダウ理論で有名になり,ウィルスンがくりこみ理論を展開することでその重要性がゆるぎないものとなった.
 昨日,物質理学の「現状分析と将来展望」発表会と懇親会があり,その疲れがまだ残っている. 30名以上の発表を居眠りもせずに聞いてコメントを書くのはなかなか大変. しかし,学生諸君の顔を少しは覚えたし,M1の皆さんは相当考えさせられたでしょうからスタートに緊張を与えるという効果は充分にあったのではないでしょうか.
 出席者36名(素粒子宇宙9名,物質理学27名).

Landau (Nobel財団の写真). Landau

2006年5月2日
 第4回.相転移の現象論.熱平衡でのゆらぎ,Gauss分布と熱力学的現象論(一部来週へ).
 やっとランダウ理論の到達した. 同じテーマの講義を何度もやっていると内容はだんだん整理されて良くなっていくと思うが,やるほうに新鮮味がなくなっていく. 何事も「あたりまえ」と感じてはおしまい. よく知っているはずのことにも常に発見をしたいものだ. (聞く人にとって新鮮であれば一応いいのだが.)
 出席者31名(素粒子宇宙9名,物質理学22名). 連休の中日だけ会って予想通り出席者が減少. 来週回復するかが問題.

2006年4月25日
 第3回.平均場理論での臨界指数(帯磁率,比熱),いろいろな相転移と秩序度(Isingモデル,Heisenbergモデル,合金,液晶,超伝導など).
 TeX版の講義ノートを作りながらそれを使ってやっているのだが,まだミスプリが多く手書きのノートを参照することになる. 講義ノートの「公開」は講義が終わったあとになるので悪しからず. 丁寧にやりすぎるのか遅れ気味.Landau理論は次回にまわす.
 出席者39名(素粒子宇宙10名,物質理学29名).

2006年4月18日
 第2回.Isingモデルの統計力学,Isingモデルの平均場理論,平均場理論での臨界指数(一部積み残し).
マイクを使ったほうがよいかどうか聞いたが反応がない. これが一番困りますね.
 具体的な内容を丁寧にやりだすと,話が一方的になりかつ時間が足りない. どうしたらいいかな? ノートを配って適当に省略すると言う手もあるのだが,経験的にも丁寧に復習をする人は多くないと思うので難しい. ちなみに,昨年のノートなどは不完全なものだが 講義ノートやレポート(物理教室内からのみアクセス可) にある.
 出席者42名(素粒子宇宙12名,物質理学30名).

2006年4月11日
 第1回.講義の進め方の説明. 相転移の次数,相図とClausius-Clapeyronの関係式,水,ヘリウム3,4の相図.
OHPが反射式だったので,液晶プロジェクターを用意して相図を見せた. マイクは使わなかったが,使う必要があると思った受講者は連絡してください.
 出席者39名(素粒子宇宙11名,物質理学28名).昨年は素粒子宇宙からの受講者が減ったが今年は回復した. いつまで続くかな?

最初の講義は4月11日(火)です.

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