(最終更新 2003/2/05)

講義: 統計物理学 I (2003年度後期,2年生)



Boltzmann (2001.8.21, Wien大学にて) Ludwig Boltzmann

授業内容案内

■本講義の目的とねらい
自然現象を理解するには莫大な数の少数種粒子からなる系の振舞いを知らねばならない.最初に巨視的系の示す普遍的法則を示し(熱力学),次にそれらを微視的立場から理解する(統計力学)ための基礎概念を紹介する.

■授業内容

  §0. はじめに---統計力学と熱力学---

  §1. 平衡状態と状態量
      [1.1] 系,相,状態量
      [1.2] 平衡状態と温度
      [1.3] 理想気体と分子運動論
      [1.4] 圧力,仕事,化学ポテンシャル
      [1.5] 熱と熱容量
      [1.6] 実在気体の状態方程式
      [1.7] 可逆過程と不可逆過程

   §2. 熱力学の法則
      [2.1] 熱力学第1法則
      [2.2] カルノー・サイクルとエントロピー
      [2.3] 熱力学第2法則
      [2.4] 熱機関
      [2.5] エントロピーと第2法則の微視的な意味
      [2.6] 大域および局所平衡
      [2.7] ギブス・デュエムの関係式

   §3. 熱力学ポテンシャル
      [3.1] エントロピー最大の原理
      [3.2] 熱力学ポテンシャルとしてのエントロピーとエネルギー
      [3.3] ルジャンドル変換
      [3.4] ヘルムホルツ自由エネルギー
      [3.5] エンタルピー
      [3.6] ギブス自由エネルギー(自由エンタルピー)
      [3.7] マクスウェルの関係式
      [3.8] 熱力学的安定性

   §4. 微視的な状態の数とエントロピー
      [4.1] 位相空間 
      [4.2] エントロピーの統計力学的定義
      [4.3] ギブスのパラドクス
      [4.4] 状態数の量子力学的数え上げ
      [4.5] 理想気体の分布関数

■成績評価の方法
  学期末に試験を行なう.他に小テスト,レポートなどを課すことがある.

■教科書
    グライナー,ナイゼ,シュテッカー:「熱力学・統計力学」(シュプリンガー)
 講義のあらすじはできるだけこれに沿って進める. ただしこの本は分量が多いので基礎的で重要と思われるところを選んで解説する.

■参考書
    戸田盛和:「熱・統計力学」(岩波書店)
    長岡洋介:「統計力学」(岩波書店)
    久保亮五:「大学演習 熱学・統計力学」(裳華房)
    ランダウ・リフシッツ(小林他訳):「統計物理学」(岩波書店)




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