2004年7月20日
第15回.保存系でのcourseningでの構造因子の変化,とくに核生成による成長の場合に特徴的な長さの時間変化がどうなるか,Ostwaldライプニングと-Lifshitz-Slyozov則.
今日で最後です.成長界面のスケーリング則の話,フラクタルの話などやり残したこともあるが一応一区切り.
出席者33名(素粒子宇宙8名,物質理学24名,他学部1名).この講義の出席者は35人前後,最多で41人でした.
ただ1時間目のこともあるが,講義開始時の出席者数と名簿記入者の差が大きすぎる.
来年は何か手を打とう.(本当は大学院の講義で出席をとったりしたくないが,ご時世には逆らえない?)単位を欲しい人はレポートは必ず出してください.
2004年7月13日
第14回.保存系での熱力学的運動方程式,平らな界面,スピノダル分解の初期過程,磁化反転の時間発展の後期過程.
最後に導いたAvramiの時間発展の形の説明で指数関数的に変化するといってしまったがこれは間違い,次回訂正します.
出席者34名(素粒子宇宙8名,物質理学25名,他学部1名).前回のお達しは誤りであることが判明,大学院の講義も7月23日までしかない.
したがって講義はあと1回だけ.保存系の相転移の後期過程の話までしかできそうもない.
2004年7月06日
第13回.解析的に扱える界面モデルの例,運動する界面,球形成長界面,保存系の連続体モデル,粗視化した自由エネルギーと安定性.
成長界面について薄皮近似ととることによって熱力学で議論した核生成の自由エネルギー的な見方が再現できる.
出席者34名(素粒子宇宙10名,物質理学23名,他学部1名).大学院の講義は8月6日までやるようにとのお達しがあった.残念ながら7月末から海外出張のため8月3日は休講とします.
したがって講義はあと3回.保存系の話をあと一回,残りの2回何をやるか考慮中.
2004年6月29日
第12回.Becker-Doeringモデルでの定常核生成率の計算,非保存系の連続体モデルの運動方程式,平面界面の構造と界面自由エネルギー.
核生成についての自由エネルギー的な見方とカイネティクス的な見方の関係を説明した.
物理的な見方がはっきりせずに形式的な計算をするとおかしな結果が導かれることがあるので要注意.
出席者35名(素粒子宇宙10名,物質理学24名,他学部1名).かなり遅れてくる人がいる.出席のとり方を考えなくては...
2004年6月22日
第11回.1次相転移の駆動力と輸送係数.核生成の熱力学,核生成のカイネティクス.Becker-DoeringモデルとFokker-Planck方程式の導出.
今日から相転移のダイナミクスの話.非平衡の話はあまり一般論がないので典型例を紹介することになる.
今回は過飽和蒸気からの液滴の核生成を念頭においての説明.
出席者34名(素粒子宇宙7名,物質理学26名,他学部1名).
2004年6月15日
第10回.KT転移の続き.2次元xyモデルでの渦,2次元クーロン気体との対応,クーロン気体でのプラズマ状態への転移,繰込み理論と結果の意味.
後半は時間が足りずあまり計算がきちんとできなかったが一応KT転移の説明を終えた.
次回からは1次相転移のダイナミクスの問題を取り上げる.
今年から夏休み前に前期が終わるため大学院の授業時間数が大分減った.
あと5回しかないのでどこまでいけるか.
出席者35名(素粒子宇宙8名,物質理学26名,他学部1名).
レポート課題:講義でやったもの以外の繰込み群の応用例について説明せよ.
(繰込み群の考え方はいろいろなところで使われています.統計力学の相転移の問題に限らず自分で面白いと思った例を調べてまとめてください.)
A4判に印刷した場合に5ページ程度になる分量で.
締め切り: 8月13日(金),提出先: 物理事務室.
2004年6月8日
第9回.秩序変数の対称性と系の空間次元,クロスオーヴァ,連続対称性を持つ系の特徴,2次元xyモデルの位相角での表示,渦の役割
KT転移は普通でない相転移のうちでもふつうの系で実際におきるという点で特に重要.
次回は2次元クーロン気体に見直して,繰込みによってプラズマ化の相転移を調べる.
出席者36名(素粒子宇宙12名,物質理学23名,他学部1名).
2004年6月1日
第8回.ブロックスピン変換,繰込み群の考え方,1次元Isingモデルでの繰込み群,2次元IsingモデルのMigdal変換,臨界指数の求め方.
K. Wilsonは繰込み群を使った相転移の研究で1982年のノーベル物理学賞を受賞した.
繰込み群の考え方はいろいろな分野で応用されている.
出席者36名(素粒子宇宙10名,物質理学25名,他学部1名).
2004年5月25日
第7回.臨界指数,臨界現象の起きる条件(Gunzburg criterion),スケーリング仮説と臨界指数相互の関係.
出席者34(素粒子宇宙9名,物質理学24名,他学部1名).
2004年5月18日
第6回.ゆらぎの空間的相関の現象論的理論.
臨界現象の具体的な例の紹介(気体液体相転移,超伝導と超流動転移の比較,宇宙実験の意義など).
出席者39名(素粒子宇宙12名,物質理学27名).どういうわけか出席者が大分増加.
きょうはスライドを使うので講義室を向いの部屋に変更した.
出席者は30名を切って何とか入るだろうと思っていたのに完全にあふれてしまった.
506にもスクリーンを早くつけて欲しい.
2004年5月11日
第5回.相転移の現象論(Landau理論),比熱と磁化率.熱平衡でのゆらぎ,Gauss分布と熱力学的現象論.
出席者31名(素粒子宇宙10名,物質理学20名,他学部1名).
来週はスライドを使いたいのだがこの部屋にはスクリーンがない.
OHPもない,いかにせん.
2004年4月27日
第4回.いろいろな相転移と秩序度(Isingモデル,Heisenbergモデル,合金,液晶,超伝導など),相転移の現象論(Landau理論).
出席者30名(素粒子宇宙6名,物質理学23名).出席者が少しずつ減ってきた.しかも1時間目ということもあり1/3は遅れてきている.
2004年4月20日
第3回.Isingモデルの平均場理論での磁化率と比熱の臨界指数.平均場近似が厳密解となる無限レンジ模型.
無限レンジ模型は伏見テンパリー模型とも呼ばれる.伏見先生は1960-70年代に名大に在籍され学術会議会長,参議院議員などを歴任された方.現在95歳くらいのはずです.(写真は先生が顧問をされているある団体のHPから借用)
出席者37名(素粒子宇宙10名,物質理学27名).講義中に質問と板書の誤りの指摘がいくつかあった.こういうのは大変ありがたい.講義のあとで指摘されたもの:(NJ/2) と書くべきところを J/N と書いてしまった.
2004年4月13日
第2回.Isingモデルの統計力学,Isingモデルの平均場理論,平均場理論での臨界指数.
出席者41名(素粒子宇宙13名,物質理学27名,他学部1名).講義室を変え小さくなったのでやりやすい.黒板が小さいのが難点.受講者には座席がいっぱいで少しきついかもしれないが講義するほうにとっては大教室がガラガラなのよりずっと良いのです.
2004年4月6日
第1回.講義の進め方の説明.最初は相転移について:相転移の次数,相図とClausius-Clapeyronの関係式,Ehrenfestの関係式,水,ヘリウム3,4」の相図.
出席者34名(素粒子宇宙12名,物質理学22名).名大出身者で私が昨年担当した統計物理学IVを履修した人が多いと内容のが一部重複すると思ったがあまりいなかったので問題なし.人数が30人程度なので来週からは理学館5階講義室3(理506)でやることにします.