(2001.5.22)
S研の7人のスタッフの中では,私だけが固体電子論でないことを中心にやっています.
研究の内容は(非平衡)統計力学の立場からの結晶成長と表面物理といったところでしょうか.
解析的な理論と計算機シミュレーションを併用して研究し,
適切な研究対象とモデルの設定を重視して進めています.
物理学会の分類で言うと領域9(表面界面,結晶成長分野)が主で,
ときには領域11(統計力学,物性基礎論,...)や領域6(金属,超低温,...)も関係します.
最近の発表論文に実験家と共著のものがいくつかあることからわかるように,
現実の世界にかかわることに興味を持っています.
そこから不変的な法則を抽出するのが目的であり,
その意味で個々のものについての私の関心は少し稀薄かもしれません.
私としては常に自然界での普遍的な構造の発見を目指していて,
抽象的な一般論はやりません(やれません).
来て欲しい学生の理想のタイプは(自分に足りないものを人に求めるのは虫が良すぎるかもしれませんが)
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熱意と積極性と粘りがある.
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物理の基礎的なことに深い理解がある.
(すごく難しい仕事をしているのに初歩的,基本的な物理があまりわかってない人がたまにいますね.ああいうのは困る.)
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緻密な論理の展開ができる.
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アイデアが豊富.
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いうまでもないでしょうが,ある程度の,「計算力」+「計算機力」.
楽しく研究生活を送るためには,自分の特性に合った物理を選ぶことが大切です.(興味ももちろん大事ですが,知らないことには興味を持ちにくいし,やってみないと面白さがわからないことも多い.) 4年進級時と大学院に進学するときの研究室選びは,
偏見にとらわれず自分の特性を良く考えて慎重にやりましょう!