2006年1月10日
昨年12月26日に追試験を実施.
未履修者52名,受験者18名.
結果は,合格者(50点以上)6名,未定者(30-45)5名,不合格者7名.
個別の判定はここには書けないので事務室前の掲示を見てください.
未定者はレポートのより判定を行うので1月中に提出してください.
2005年8月5日
期末試験結果.
5点単位で採点した.
配点は問題に書いたとおり120点満点.
5 は書いた人は5点,10点をもらった幸運な人も数名いる.
平均点45点で得点分布はグラフのとおり.
65点以上を「優」,40点から60点までを「良」,30点と35点を「可」,30点未満は「不可」とした.
「不可」の者に対しては
2005年度後期中に(たぶん年末に)再試験を行いますので必ず受験してください.
採点した答案は来週になってから事務室で返却します.
少し難しいようにと思って出したが,2の(a),(b),3がほとんどできていなかったので,予想以上に得点が低く,合格ラインを下げた.
2005年7月28日
期末試験を実施.
受講登録者102名,受験者84名,欠席18名.
2005年7月21日
第15回.量子統計の基礎,フェルミ粒子とボース粒子の波動関数,グランドカノニカル分布を使っての理想気体の分布関数の導出.
今日で最後.暑くなったせいか2週続けて出席者が少ないような気がする.
2005年7月14日
第14回.アインシュタインのブラウン運動の論文の紹介.
今年は世界物理年.アインシュタインの奇蹟の年から100年目にあたる.
1905年にアインシュタインは,ノーベル賞の対象になった光電効果の論文,ブラウン運動の論文,そして特殊相対性理論の論文を発表した.
ブラウン運動の論文は原子の実在性を証明するペランの実験を呼んだだけでなく,平衡状態のゆらぎと関係した拡散係数と非平衡定常状態の粘性係数を結びつけた点でも画期的な仕事です.
定期試験日程の変更:
実験と重なってしまったため次のように変更します.
7月28日(木) 10:30- B5講義室にて
2005年7月7日
第13回.化学ポテンシャルと浸透圧,希薄な2成分系での相平衡,化学平衡の条件,質量作用の法則.
アインシュタインのブラウン運動の理論の歴史的背景.
希薄溶液の化学ポテンシャルの応用は広い.いろいろな物理化学的な法則が簡単に説明できてしまう.
ファントホフは第1回のノーベル化学賞の受賞者である.
後半から世界物理年記念でアインシュタインの業績の紹介を.続きは来週.
講義ノートの訂正:
P.57,(3)式,ルートのなか,分子は1に,分母は:N ! --> N ! N1 ! N2 ! ....
2005年6月23日
第11回.相平衡の条件,単純な物質の相図,クラウジウス・クラペイロンの式,ギブスの相律.
進度に余裕が出たので昨年は量子統計のはじめのところまでやってしまったが,今年はゆっくり進もうと思う.
少しは学生に質問でもしてインタラクティブにしよう.
2005年6月16日
第10回.グランドポテンシャルの微分,熱力学ポテンシャルのルジャンドル変換と分配関数のラプラス変換,グランドカノニカル分布での理想気体,グランドカノニカル分布での粒子数の最頻値.
グランドカノニカルアンサンブルについての基礎的な話はあと来週にまわした粒子数のゆらぎの話で終わる予定.
そのあとは熱力学をふくめた相平衡などへの応用の話にうつる.
梅雨に入り雨でうっとうしい.出席も大分少なくなって疲れた顔の人が多い.こちらもつかれる.
ムム気を引き締めなければいけないな.
2005年6月9日
第9回.2原子分子の回転(量子論),2原子分子の振動,グランドカノニカル分布の説明,大分配関数.
昨年に近いペースで進んでいるので量子統計までやろうと思わなければ充分余裕がある.
先週行った統計Iの再試験の結果は,合格13人,不合格7人,保留2名.事務室前に掲示してあります.
講義ノートの訂正: P.33,(32)式:D --> M
講義ノートの訂正:
P.27,(78)式の右辺にマイナスをつける
統計物理学I (2004年度) の再試験会場の変更: 6月2日(木)13:30-15:00 理学館大講義室(この講義をやっている部屋)
2005年4月21日
第3回.閉じた部分系の分布がカノニカル分布となること,それがエネルギーの期待値だけを指定したときの最も尤もらしい分布であること.ラグランジュの未定乗数 β が期待通り温度の逆数であること.
小林晃人さんの作ったシミュレーションのデモンストレーションをやった.
とても教育的なシミュレーションなのでぜひ各自体験してください.
pi ∝ ΩR(E-Ei) はカノニカル分布の核心ですから自分で納得するまで考えてください.
講義ノートの訂正:
P.13,最終行の W を ln W に.
P.14,(10)式,2行目のΣ を削除.
統計物理学I (2004年度) の再試験: 6月2日(木)13:30-15:00 理学館506
授業後の質問: Callenの教科書にカノニカル分布のいろいろな関係がまとめて出てくる導出法があったが,これでよいのか?
答え: 次回検討しましょう.
授業後の質問: 演習問題の鎖のエネルギーと力の関係が分からない.
答え: このモデルは分子の運動エネルギーも曲げたことによるポテンシャルエネルギーの上昇も無視したものですが(だから内部エネルギーはなし),ゴム弾性の本質を示したものです(久保先生によって先駆的な研究がなされた).
縮んだ状態のほうがエントロピーが大きく,有限温度ではそれを引き伸ばして状態数を小さくするのに外力による仕事が必要なのです.
授業後の質問: レポートの問題で計算して出てきた関数のグラフの形が分からない.
答え: 講義でやった調和振動子の例のように高温と低温の極限値とそこへの近づき方を調べれば,単純な関数なら様子は分かる.
どうしても分からなければ数値計算が計算機が手軽に使える今は簡単にできる.
2005年4月7日
第1回.
講義の進め方についての案内. アンサンブルの概念,ミクロカノニカル・アンサンブル,エルゴード仮説,リューヴィル
の定理,定常状態の分布の条件.
最初に統計Iの試験の答案を返却.
答案返却数から判断すると出席者は74人.
学年定員が90人で最終的に何人の人が卒業するのかなどと,試験をやるといろいろ考えてしまう.
この講義室は,本来講義室用に設計されていないので,黒板,教壇が小さく,部屋が縦長で使いにくい.
それでもマイクの設備が整ったので(今日注意されて知ったのだが)少しよくなった.
講義で言い忘れたが統計物理学Iの追試はできれば名大祭のころにやりたい.
授業後の質問: リューヴィルの定理の出発点となった式の意味がよく分からない.
答え: 講義ではイメージが浮かぶように流体とのアナロジーを使ったのですが,流体力学をまだ学習していないようなのでピンとこなかったかも知れない.
出発点は電磁気学で現われた連続の式と同じもの.
電流にあたるのが,代表点の流れで j = r v .
連続の式はある場所の粒子の数は,勝手な生成消滅がないとすれば,その場所を囲む領域の出入りを数えれば分かるという主張.
流体の言葉でいうと,最後の式は非圧縮性の流体は流体と一緒に動いていくとその密度が変化しないということを意味する.
次回,補足の説明をします.